路線解説

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上武本線

 後楽園~高崎間を結ぶ路線。本線と沼田線の区分は元々免許申請した日本興業鉄道の最初の鉄道免許が小石川(現後楽園)~高崎だったことに由来する(第二次は高崎~新潟)。上武本線内を直通するほとんどの快速列車はそのまま高崎―前橋都市圏の輸送を行うために上武前橋まで直通している。後楽園から川越まではJR埼京線・川越線と、高崎まではJR高崎線と競合していることにより速達性を重視しているため、一部の区間(津田~久下の利根川越え・上信電鉄から買収した山名~高崎)を除いたほとんどで高速運転が可能となっており、快速は後楽園→高崎を2時間1分で走破する(特急は1時間37分)。

 沿線には川越・熊谷・高崎とそれぞれ都市圏を形成する都市があり、各都市からの通勤客を効率よく輸送するため、上武松山までの近距離輸送を行う通勤急行・急行・準急、熊谷から先の中距離輸送を通勤快速・快速と殆どが後楽園~白子のピストン輸送に従事する各駅停車と無料種別は合計6つある。通勤急行と通勤快速は名前の通りラッシュ時のみに運転されるが、通勤急行は休校に比べて和光市までの停車駅を絞る一方、和光市からは停車駅を増やすことで乗客の利便性を高めている。通勤快速は上武深谷~本庄をノンストップで運転することにより後楽園→上武前橋を1時間59分で走破し、JR高崎線の通勤快速(上野→前橋最速1時間50分,2020年2月現在)に対抗している。

 前述の通り沿線に多くの都市を抱えている本線は各都市に対応する多くの種別の列車を走らせていたため線路容量が圧迫していた。その上高度経済成長期には沿線の宅地開発が進み鉄道利用者が増えたことにより、ラッシュ時には殺人的な混雑やそれによる遅延に悩まされていた。また本線と23区内で国鉄線との乗換駅は赤羽線(現埼京線)の板橋駅と山手線の大塚駅であり、決して大きなターミナルとはいえない両駅の混雑状況は一刻も早く改善されるべきものであった。そんな中、1968年の都市交通審議会答申第10号において成増及び練馬を起点とし、池袋や銀座を経由する路線である東京8号線の計画が示され、1972年には向原~野火止が東京13号線として独立した。この13号線のうち成増~小竹向原(~池袋)が1983年に、和光市~成増が1987年に営団有楽町線として開通した。これと同時に野火止~和光市が上武本線の複々線として整備され、地下鉄は上武本線(川越市まで)と青梅線に直通した。また、地下鉄直通と並行して本線:後楽園~上武松山の複々線計画が建てられ、このうち和光市~野火止が前述の地下鉄延伸線を伴う三複線として、野火止~ふじみ野と川越~川越市がすでに整備されており、2021年に白子~和光市・2022年にふじみ野~川越の複々線が開通する予定である。その他の計画区間は土地買収の難易度から断念されたが、後楽園駅には複々線建設を想定したトンネルがあり、現在は特急の引き上げ線として利用されている。

 1987年に有楽町線との直通運転を始めた本線だが、2008年には副都心線との直通運転を開始した。2013年には副都心線を介して東急東横線・横浜高速鉄道との直通運転を開始し、いわゆる5直が行われるようになった。地下鉄には朝夕時のみ特急も直通しており、新木場・新宿三丁目~和光市~高崎~猿ヶ京温泉にて運転を行っている。
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